恋は死なない。
『君を愛している……』
先ほど、和寿が語ってくれた言葉の響きの中にある真実を、佳音は噛みしめた。
和寿は心から愛してくれているのかもしれないけれども、それでもやはり、自分たちは間違ったことをしてしまっている。
――もし……、この犯してしまった罪に罰が下るとしたら……、どうか私だけに……。
佳音はウェディングドレスを見上げながら、見えないものに対して、心の中でそう祈った。
これまで、さんざん寂しく辛い思いをしてきた自分は、これ以上の不幸を背負っても、大して変わるものはない。
けれども、和寿は……。
何よりも愛しい、この命よりも大切な和寿には、自分のように影を踏んで歩くような生き方はしてほしくない。これまで彼がたどってきたように、一点の曇りもないような輝かしい人生を、これからも着実に歩んでいってほしい。
佳音は、月の光を浴びながら止めどもない涙をぬぐい続けた。
そして、月が姿を消し、夜が白々と明けわたる頃、顔を上げて覚悟を決めた。
それから、和寿はしばらく起きてこず、八時過ぎになってようやくもぞもぞと動く気配がし始めた。
「……佳音?」
和寿の確かめるような声を聞いて、佳音はすぐに部屋へと向かい、ドアの隙間から顔を出した。