雨のようなひとだった。
背にある手をあたたかいと感じながら、俺は少しだけ彼女から身体を離す。
じっと見上げてくる瞳にときめきを感じないといったら嘘になるが、何と表現したらいいのかわからない感情を持て余していた。
「やる気満々とは思わなかったけど……驚きはしましたよ」
「私もです」
「え?」
間髪入れずに返ってきた言葉に思わず目を見開く。
彼女は俺から目を逸らさないまま続けた。
「私も、あんなこと言うなんて思いませんでした」
「え?」
「………あなただったからだと思います」
そこで俯いて、俺の胸へグリグリと頭を擦り付けはじめる。
「イデデデ、痛いです」
―――っていうか今ものすごい台詞を聞いた気がするが、直後のこの行動からして照れてるのか。