グリッタリング・グリーン
遠慮なしに葉さんが体重をかけてくるせいで、私はすっかり、ソファに寄りかかる形になっていた。



「今ですか」

「今言わなくて、いつ言うの」



本気で驚いている様子の葉さんに、笑ってしまう。



好きです。


言った瞬間、抱きしめられた。



反らされた頭が、ソファに沈んだ。

柔らかい唇がひっきりなしに、重なっては優しく噛んで、噛んでは熱っぽく覆う。

きつく抱きしめてくる身体は、びっくりするほど熱くて。

華奢だとばかり思ってたのに、薄いシャツ越しに感じる筋肉と力強さは、間違いなく、男の人だった。


ちょっと苦しくて、訴えようと肩を押した手は、重なってきた指に握りこまれてしまった。

その手のひらも、燃えてるみたいに、熱い。


濡れた吐息が、耳を甘く噛んで、首のほうへすべった時。

何かが私を、我に返らせた。


──まずい!


首筋を吸われて、思わず肩をすくめる。

葉さん、と呼びかけても、ん、と声で返事が来るだけで、力を緩めてくれる気配はない。

重くて、体勢を立て直せずに、もがいた。


しきりに名前を呼ぶ私を、何か誤解しているのか、葉さんはますます腕に力をこめて、私の動きを封じる。

ふと身体の上をすべった右手が、ワンピースの裾にたどりついた時。


頭が真っ白になった私は、しでかした。



「葉さん!」

「いってえ!」



脇腹を押さえて、葉さんが身体を折る。

どうにか抜け出した私は、肩で息をしながら、思いきり殴ってしまった右手を、まだ拳に握っていた。

よほど痛かったのか、涙を浮かべた葉さんが、怒り心頭といった顔で、「この…」と私をにらむ。



「何考えてんだ、ここまで来て!」

「か、勝手に進めたんじゃないですか」

「何が勝手だよ、好きって言ったろ!」


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