グリッタリング・グリーン
小中学校時代には、憧れの上級生とか気になる誰くんとか、お決まりの経験もしたけど、いつの間にか過ぎ去った。
絵を描いてれば楽しくて、彼氏なんて欲しいと思ったこともなかった。
「可愛いのに、もったいない」
顔が赤くなる。
葉さんも、こういうこと、言うんだ。
「狙ってた奴、いると思うよ、気の毒に」
「ないと思います、周りの子、みんな彼女いましたし」
ふーん、と納得いかなげに首をかしげて、葉さんが再びテーブルに向き直った。
飲む気が戻ったのか、グラスを渡してくれる。
「俺でいいんだ?」
「え?」
気を落ち着けようと、ワインに口をつけた私を、のぞきこむようにうかがってきた。
片ひざを抱えた姿が、子供みたいだなと思う。
「はじめて、俺にくれるんだ?」
あ…。
改めてそんなふうに言われると、耐えがたい恥ずかしさに襲われ、葉さんさえよければ、と小声で伝えると。
葉さんは、私を見つめながら、にこっと笑い。
「すっごい嬉しい、ありがと」
めちゃくちゃ優しくするからね、と本当に嬉しそうに言って、私を赤面させた。
心の準備がいるんです、と言い張った私に、じゃあ今日はキスだけね、と葉さんは。
飲んでいる間じゅう私の肩に腕を回して、気が向くと引き寄せては、お酒と煙草の匂いのする唇を押しつけてきた。
ほんとのことを言うと、それだけでも私は、緊張してドキドキして、出直したい気持ちでいっぱいだったんだけど。
葉さんがあんまり嬉しそうなので、我慢した。
「ほんとにキスもはじめてなの?」
「えー…学生の頃、遊びでされたことは、ありました」
何それ、と急に目つきが剣呑になったので、慌てて、罰ゲームみたいなものです、と訂正する。
「あったでしょう、負けた人が誰それに、みたいな」
「知らない、そんなふしだらな遊び」
絵を描いてれば楽しくて、彼氏なんて欲しいと思ったこともなかった。
「可愛いのに、もったいない」
顔が赤くなる。
葉さんも、こういうこと、言うんだ。
「狙ってた奴、いると思うよ、気の毒に」
「ないと思います、周りの子、みんな彼女いましたし」
ふーん、と納得いかなげに首をかしげて、葉さんが再びテーブルに向き直った。
飲む気が戻ったのか、グラスを渡してくれる。
「俺でいいんだ?」
「え?」
気を落ち着けようと、ワインに口をつけた私を、のぞきこむようにうかがってきた。
片ひざを抱えた姿が、子供みたいだなと思う。
「はじめて、俺にくれるんだ?」
あ…。
改めてそんなふうに言われると、耐えがたい恥ずかしさに襲われ、葉さんさえよければ、と小声で伝えると。
葉さんは、私を見つめながら、にこっと笑い。
「すっごい嬉しい、ありがと」
めちゃくちゃ優しくするからね、と本当に嬉しそうに言って、私を赤面させた。
心の準備がいるんです、と言い張った私に、じゃあ今日はキスだけね、と葉さんは。
飲んでいる間じゅう私の肩に腕を回して、気が向くと引き寄せては、お酒と煙草の匂いのする唇を押しつけてきた。
ほんとのことを言うと、それだけでも私は、緊張してドキドキして、出直したい気持ちでいっぱいだったんだけど。
葉さんがあんまり嬉しそうなので、我慢した。
「ほんとにキスもはじめてなの?」
「えー…学生の頃、遊びでされたことは、ありました」
何それ、と急に目つきが剣呑になったので、慌てて、罰ゲームみたいなものです、と訂正する。
「あったでしょう、負けた人が誰それに、みたいな」
「知らない、そんなふしだらな遊び」