グリッタリング・グリーン

「痛いです!」

「自分が悪いんだろ」



助け起こすふりをして、葉さんは、私をぎゅっと抱きしめると、腹いせみたいに、耳をかじる。

痛い、と抗議しようとした手は、おっと、とつかまれて、地面に押しつけられた。



「そう何度も殴らせないよ」



ふふんと得意げに笑う顔が、真上に見えて。

太陽を背にして、逆光になっていることに気づいて、初めて状況を意識した。

起きあがろうとしても、葉さんが完全に上に乗っているので、びくともしない。


この体勢は、無理だ。

無理、無理。


私がパニックに陥りかけたのを察したのか、葉さんがふっと笑って、身体を浮かせてくれた。

ほっとして、起きあがろうとしたら。



「なんてね」



にやりとする顔を、認識する間もなく、唇を覆われた。



吸いとられるような、キスだった。

これまでの、重ねるだけのと、あまりに違ったので、衝撃で身じろぎした私を、葉さんは身体で押さえこんだ。


拘束されていた手は、いつの間にか、指を絡めて、固く握られて。

葉さんの重みに、苦しくて息を継ごうと口を開くと、ここぞとばかり、襲われる。


探られる感覚に、背中が浮いて。

頭の下で、芝がもつれた。


もうやめて、もう無理です。

溶けそう。



なんでそんなに熱いの、葉さん。


熱い──。





長い長い翻弄の末、ようやく解放してくれた葉さんは、私の有様を見て、ありゃっという顔をした。

私は、手をとられているせいで、半泣きの顔も、震える口元も隠せず。

やっと水面に出た時みたいに、息が上がって喋ることもできない。



「ごめん、大丈夫?」



慌てたように、頭をなでてくれる。

自由になった手は、きつく握られすぎていたせいで痛い。


違うか、私が握りしめてたんだ。

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