双姫 Ⅱ
[さぁ、次はここで撮影しよう。]
そこには高価そうなソファーがあるだけ。
[最初撮った所はソロで撮るとして、
ここはペアで撮ろう。]
「私のモデルを用意しましたわ。
徠斗(らいと)くん!!」
呼び掛けに応じて出て来たのは男。
笑顔を保っていたが引き攣ってしまった。
お、男の人と撮るんだ…嫌だなぁ。
「へぇ…アンタ可愛いじゃん。」
徠斗と言うらしい男は
私の頭から足まで舐める様に見た。
感じ悪いなぁ…。
「彼は一番売れているモデルですわ。
徠斗くん、彼女は朱音さん。
あの神崎財閥の次期社長よ!挨拶して。」
「社長…?
これは失礼致しました!徠斗と言います。」
急に態度が変わり、愛想良く振り撒いた。
「宜しくお願い致します…。」
直感で分かる、コイツは嫌いだ。