双姫 Ⅱ


[さぁ、次はここで撮影しよう。]


そこには高価そうなソファーがあるだけ。


[最初撮った所はソロで撮るとして、
ここはペアで撮ろう。]


「私のモデルを用意しましたわ。
徠斗(らいと)くん!!」


呼び掛けに応じて出て来たのは男。

笑顔を保っていたが引き攣ってしまった。


お、男の人と撮るんだ…嫌だなぁ。


「へぇ…アンタ可愛いじゃん。」


徠斗と言うらしい男は
私の頭から足まで舐める様に見た。


感じ悪いなぁ…。


「彼は一番売れているモデルですわ。
徠斗くん、彼女は朱音さん。
あの神崎財閥の次期社長よ!挨拶して。」


「社長…?
これは失礼致しました!徠斗と言います。」


急に態度が変わり、愛想良く振り撒いた。


「宜しくお願い致します…。」


直感で分かる、コイツは嫌いだ。


< 247 / 448 >

この作品をシェア

pagetop