深夜0時、キミと待ち合わせ。
「じゃあ、俺は教室行って寝るから」


真夜中くんは、ひとりでさっさと校舎の中に入っていってしまった。

ここに居たくないんだろうな。

作り笑いの隙に、辛そうな顔をしていた。


本当は、背中を追いかけたかったけど……、彼はきっとそれを望まない。


「ねぇ紗帆ちゃん、気になってたんだけど」

「な、なに……?」


柿崎さんのいつも通りの口調が、逆に不安を掻き立てる。


「真夜中くんとか、無言ちゃんって何?どんなあだ名なの?」


そっちか……。


「えっと、私……教室だとほとんど喋らなくて……。だから無言姫と……、……呼ばれてます」


理由がなんとも情けなくて、最後は蚊の鳴くような声だった。
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