バンテスト魔法書の保持者
シンルスは人間で例えると、精神年齢はまだ
10歳~13歳といったところだろう。


それも親もおらず、人に襲われた経験がある。


無意識に自分より強い相手は避けていたはず。


戦闘して、オシレット先輩‥‥‥いや、ライアンに恐怖を覚え、身体が自然と攻撃意志を止めてしまう。


初めてエンシェントを見たのだろう。


それも天使だ。


恐怖を覚えないはずがない。


リューラも、シンルスが傷つくことを恐れた。


この試合、リューラとオシレット先輩の2人にとってはもう試合ではない。


一歩間違えれば死ぬ可能性もある。


だからこの試合の途中から、シンルスは姿を見せなかったのだろう。


だけど、今はどうだ。


「ウォーーーン!」


シンルスの遠吠えが響くと、青の炎の柱がいくつも出現する。


勇ましく、敵に立ち向かう姿。


リューラとの息もあっている。


出会って間もないとは思えないほどだ。


「すごいです‥‥‥私、ほとんど見えない」


「わ、私も、」


ルシータとルリ、いや、ここにいるほとんどの者が見えていないだろう。


リューラ達の動きを。


「リューラ、だいぶきつそうね」


「わかるか?」


「ええ。身体に負荷がかかりすぎてるんだわ」


ギリギリ見えているだろうランナ。


眉間に皺を寄せて、戦闘を見ている。


魔法を自分の身体にかけると、肉体は強化されるかわりに負荷がかかる。
 

魔術装備もそうだが、種類によっては魔道具もだ。


オシレット先輩の使っているフュージョンもしかり。


リューラ達の方に目を戻す。
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