バンテスト魔法書の保持者
アイコンタクトをした2人。


そして、リューラはツインウィングを掲げて唱えた。


「シンルス〈フュージョン〉」


「ウォーーン!」


遠吠えがコロシアムに響く。


シンルスが黒い光を放ち、リューラの方に向かう。


「っ、させないよ!」


シンルスとリューラが重なると同時に、オシレット先輩が結界を壊そうと攻撃する。


だが、オシレット先輩の攻撃どころかライアンの攻撃にさえ結界は耐えた。


「リュー、ラ、さん?」


ルシータが小さく呟いた。


黒の光が溶けるようにして消える。


そこから現れたのは、長く靡く髪に獣の耳と尻尾をもった者。


日光に当たれば、漆黒の髪がオーロラのような光沢を放つ。


金の瞳と青の瞳のオッドアイはきらめき、青の蝶の帯に黒の衣装を身に包んでいる。


これが、シンルスとフュージョンしたリューラの姿。


金の瞳‥‥‥


恐らく、リューラは青の瞳にしていた偽装の魔法を解いている。


青の瞳はシンルスのものだろう。


『リオウ、ありがとう』


頭の中に聞こえてきた声。


その穏やかなリューラの声に、俺は小さく微笑んだ。


そうだ、リューラ。


お前はもう1人じゃない。


それに頼らなくとも、それを使わなくとも‥‥‥


お前は、お前が身につけた力で強くなれる。


リューラがフォルテッシモを高く掲げた。


光の結界が壊れる。
< 255 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop