きみへの想いを、エールにのせて

理佐が不思議そうな顔をして尋ねると……。


「もともと、親に言われて始めただけで、好きじゃなかったみたいだな。毎日毎日何千メートルも泳ぎ続けるなんて、好きじゃなきゃ続かないんだよ」


そういうものなのだろうか。

でも結城君は違う。
本当は好きなのに。


「そうそう。龍平、南高校に決めたみたいだよ」

「南!? 結城君って頭いいんだ」


理佐が感嘆の溜息をもらす。


南高校は公立では一番レベルの高い高校。

私達はそろそろ志望校を決めつつあったけれど、私の選択肢にはなかった。
もうひとランク下を希望していた。


「そうなんだよ。文武両道なんだよ、アイツ」とつぶやいた雄介君が、ハッとして「ごめん」と私に謝った。
水泳を辞めてしまったから、両道とは言えない。
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