きみへの想いを、エールにのせて

でも、その横には……。


「真夜さん……」


真夜さんが、愛らしい笑顔を振りまいていた。


ふたりの様子を見て胸が痛む。
スイミングクラブを辞めて、接点がなくなったはずなのに、こうして会っているということは――。

イヤな方向に考えが転んで、顔をしかめる。


ふたりの前を通るのがイヤで、木の陰に隠れて様子を見ていると、なにか話している。

すると、結城君が突然声を荒げた。


「お前が水泳辞めたのは、俺のためなのか? そんなこと、頼んだか?」

「ち、違うよ。あの……」


あきらかに動揺し始めた真夜さんは、必死に首を振っている。


「龍平が水泳できなくなって、辛いと思ったの。だから私も辞めれば、その気持ちがわかるかなって……」

「ふざけんな」
< 133 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop