きみへの想いを、エールにのせて

「俺……水泳好きなんだ」

「うん」

「でも、もう自信がない」


彼の悲痛な声が胸に突き刺さる。


「ずっと全国一を目指してやって来た。いや、いつかオリンピックに出たいと思ってた。でも、もしかしたら叶うかもしれないというところまで来て、一気に落とされた」


去年の全中。
バタフライで出ていれば、全国1位も可能だったかもしれない。

1500メートルクロールでは、下位の大会で棄権という結果だったのだから、彼の落胆する気持ちは計り知れない。


「結城君……」

「でもまさか、チョコちゃんがこんなに応援してくれてるなんて……」


イヤだ。
もう二度と過ちは繰り返したくない。


「違うの。私、水泳好きだから。だから、水泳部を……」


もし彼が復活を決めるなら、私が応援しているからではなく、自分が泳ぎたいと思ったタイミングでして欲しい。

重荷になりたくない。
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