きみへの想いを、エールにのせて
それからどうやって部室までたどり着いたのかわからない。
ハッと我に返ってプールサイドに行くと、結城君が黙々と泳いでいた。
「勧誘どうだった?」
結城君は、次のスタートまでのインターバルの間に声をかけてくれたけど、ぎこちない笑顔しか作れない。
「ごめん。ダメだった」
香川君の入部を伝えられると思っていたのに、とんでもないことになってしまった。
「そっか。まだ時間あるし、俺も声かけてみるよ」
「うん」
それからすぐに泳ぎだした結城君の背中を見つめる。
私が香川君との交際をOKすれば、水泳部は正式に承認される。
そうしたら、結城君は泳ぎ続けることができる。
でも……私が好きなのは、香川君じゃなく――。
「どうしよう」
そうつぶやいても、誰も答えてなんかくれなかった。