きみへの想いを、エールにのせて

「ちょっと、待って」

「待たない。今日も部活やってるんだろ?」


プールに行ったら、結城君が泳いでいる。
結城君に手をつないでいるところを見られてしまう。

いや、もしかしたら香川君は最初からそのつもりで、私の手を握ったのかもしれない。

結城君に対して、なにかよくない感情があるように感じる。


覚悟なんて……本当は少しもできていなかったことに気がついたのは、プールに着いたときのこと。


「香川……」

「どうも。俺、水泳部入るからよろしく」


結城君はまだ練習の途中だったのに、プールから上がってきた。

そして、「そう。よろしく」と言いながら、私達がつないでいる手をチラッと見つめた。

慌てて離そうとしたけれど、香川君は一層強く握り返してくる。
まるで『逃がさないよ』と言わんばかりに。
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