きみへの想いを、エールにのせて
「言ったでしょ? 私が結城君を応援しているのは、表彰台に乗ってたからじゃないって。必死に練習をしているからなの。だから、今日みたいに自分を追い込んでいる卓君も応援してる」
自分からマイナス5秒と言いだした彼は、息を切らせながら必死に泳いでいた。
その姿は、きちんと目に焼き付いている。
「でも、結城君は自分が故障して辛かったから、卓君にアドバイスしたの。それを悪意みたいに取らないでほしい」
いつか手に手を取り合ってリレーに出るのならば、すれ違うふたりをなんとかしたい。
「……わかった」
「はー」と大きな溜息をついた彼は「ケガしたのはどっちの足だ?」と私に尋ねる。
「右」
私がそう答えると、私の右側に立ち「つかまれ」と腕を差し出した。