きみへの想いを、エールにのせて
「ありがとう」
いつもトゲトゲしい彼だけど、時折見せる優しさもある。
本当の彼はどっちなの?
困惑しながら彼につかまると、ゆっくり足を進めた。
夏休み中の部活は、基本的に月曜から金曜まで。
あれから卓君のフォームが変った気がする。
呼吸をするときの顔の位置が低くなった。
もしかしたら細かなところがまるで違うのかもしれないけれど、私にわかるのはそれくらい。
でも、卓君が結城君のアドバイスを素直に聞いたのかもしれないと思うと、うれしかった。
結城君は相変わらず腰の爆弾と闘いながらの練習。
少しでも調子が悪いと感じると、キックをやめて手だけで泳ぐプルに変えていた。
それでも次第にタイムが上がってきた。
結城君だけではない。他の3人も。
特に脇田君は目をみはるばかりの成長ぶり。