きみへの想いを、エールにのせて

でも、結城君の強さは後半の伸び。

あんなに辛そうな種目なのに、ここからまだスパートできるなんて信じられない。


「まだいける!」


彼の苦しさなんて少しもわからないけれど、そう口走っていた。
必死に練習を積んでいる結城君なら、きっとまだ……。


「あっ、もう少し」


あと5メートルでゴールというところで、隣のコースの泳者をとらえ、興奮を抑えきれない。


「結城君!」


もう呼ばずにはいられない。
すると彼は期待通り、もうひと伸びしてついに抜き去った。


「キャー」


悲鳴のような声が出てしまい慌てて口を押えたけれど、その代わりに涙が溢れてくる。
まだリレーは続いているというのに。


彼はリレーは盛り上がると言っていたけど、その通り。

4人が同じ目標に向かい、その力がそろった時のみ勝つことができる。
誰かひとりだけ速くても勝つことのできないのがこの競技。
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