きみへの想いを、エールにのせて

しかも、真ん中のレーン。
同じ組なら真ん中に近い方がエントリータイムが速い。

ということは、結城君は優勝候補。

もちろん、全国で決勝に残るような人なのだから、優勝してもおかしくはない。


――ピピーッ。


何度も聞いた笛の音。
これを合図に選手が一斉に飛び込み台に上がる。

黒に赤いラインの入った水着は、全中の時と同じモノ。

片足をスタート台にひっかけ、もう片足は後ろ。
水泳でクラウチングスタートなんて、私はやったことがないけれど、皆あたり前のようにやっている。


そして……観客の歓声がピタッと止まる。
選手にスタートの音が聞こえなくなってしまうからだ。

この瞬間、見ている方も緊張で体がこわばるほど。


――用意、ピッ。


ついに始まった。
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