きみへの想いを、エールにのせて
「嘘……」
今度は私が座る北3のブロックの方を向き、手を振ってくれた。
「結城君!」
周りの目も気にせず大きな声を張り上げながら手を振り返す。
彼との距離はかなりある。
声まで届くわけがないけれど、手を振る私に気がついてくれた。
たしかに目があった。
「おめでとう」
ロッカールームへ引き上げる彼の後姿に、もう一度語りかける。
おめでとう。
そして、感動をありがとう。
その日はあまりに幸せで、雪が舞うほど寒いのに、心はポカポカと温まっていた。
理佐や泉にラインを入れたのは家に帰ってから。
私の報告を待っていた彼女たちは、私が結城君と偶然会えたことに驚いていた。
【で、自己紹介くらいできた?】
文化祭の時、名前すら言えなかった私を知っている理佐はそう聞くけれど……。