きみへの想いを、エールにのせて

「ありがと」

「どういたしまして」


きっとコルセットを巻いているのだろう。
隣の席を借りていた結城君は、体の動きが不自然だった。

それでも必死に治そうとしている彼に、心の中でエールを送った。


それからすぐに地区大会が行われた。

まだ泳ぎを再開していない結城君は、当然エントリーしていないけれど、私は見に行くことにした。


雄介君は全中の標準タイム突破を目指して出場するらしい。
といっても、かなり難しいんだとか。

全国大会は簡単には届かない。


理佐を誘うと渋々来てくれた。
最近、雄介君と理佐の距離が縮まっているように感じる。

付き合ったりしないだろうかと目論んでいるのは泉も同じ。
私がきっかけでそうなったらとてもうれしい。


「すごい人だね」

「うん」


観客席は朝から満員。
この大会は出場選手も多く、ベルトコンベアに運ばれるように選手たちが飛び込んでいく。
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