きみへの想いを、エールにのせて

「結城君、やっぱり来ないのかな」


理佐がそうつぶやくから私はうなずいた。

水泳部の仲間やスイミングの仲間は多数参加しているはず。
でも自分が出られない試合には来ないかもしれない。

今は見るのも辛いかも。


「雄介君、調子どうだって?」

「あぁ、絶好調って言ってたけど、いつも口だけだから。アイツ、本番に弱いもん」

「そんなことないよ」


結城君の悔しさを知っている彼は、奮起してくれるような気がする。


「ねぇ、これじゃあ見逃しちゃいそう」


初めての理佐は感嘆の溜息をつく。

大きな大会の決勝などとは違い、電光掲示板に名前は出るけれど、コールもない。
プログラムで何組目が泳いでいるのかを確認しながら、お目当ての選手を探すしかない。


「そろそろ雄介君だよ」


彼は背泳ぎの選手。
リレーのメンバーのひとりでもあった。
< 75 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop