恋は天使の寝息のあとに
「……行ってないよ」
思わず嘘をついてしまった。
横から由利亜さんの、どうして言わないの? という視線が刺さる。
だって、肝心な財布も渡せずに逃げ帰って来ただなんて、それこそ説明できないじゃないか。
恭弥はこれ以上深く問い詰めることはせず
「あっそ」となんとなく納得したように頷くのだった。
再び立ち去ろうとする恭弥の死角で、由利亜さんの肘が私の脇腹をこずく。
しっかりして! と言われている気がした。
「あ、あの! 恭弥?」
私が彼の背中に声を投げかけると、恭弥が足を止めて振り返った。
「……夕飯、一緒に食べてく?」
「……いや、いいや」
再び恭弥が玄関に向き直ったのを見て、由利亜さんがやれやれとでも言うようにこっそりとため息をついた。
だって、これ以上、どうしろって言うんだ。
そのとき
「ぱっぱぁーーー」
代わりに彼を引き留めたのは心菜だった。
そのあどけない声に、再び恭弥が足を止める。
思わず嘘をついてしまった。
横から由利亜さんの、どうして言わないの? という視線が刺さる。
だって、肝心な財布も渡せずに逃げ帰って来ただなんて、それこそ説明できないじゃないか。
恭弥はこれ以上深く問い詰めることはせず
「あっそ」となんとなく納得したように頷くのだった。
再び立ち去ろうとする恭弥の死角で、由利亜さんの肘が私の脇腹をこずく。
しっかりして! と言われている気がした。
「あ、あの! 恭弥?」
私が彼の背中に声を投げかけると、恭弥が足を止めて振り返った。
「……夕飯、一緒に食べてく?」
「……いや、いいや」
再び恭弥が玄関に向き直ったのを見て、由利亜さんがやれやれとでも言うようにこっそりとため息をついた。
だって、これ以上、どうしろって言うんだ。
そのとき
「ぱっぱぁーーー」
代わりに彼を引き留めたのは心菜だった。
そのあどけない声に、再び恭弥が足を止める。