正しい紳士の愛し方
前向きな考えをしようと思えばいくらでも思いつく。
しかし、最終的にいちばん望まない組み合わせに考えが行き付くのは、彼に振り向いてもらえない言い訳を作っているようで樹の心はクシャクシャした。
大和さんはモテるから……
相手が美女だから……
だから、仕方ないっていう逃げだ。
「……そっか。今から楽しみだよ」
樹は無邪気に笑ってみせた。
波風立てないスマートなお付き合い。
これが大人の男性との暗黙のルールな気がした。
「樹ちゃんは肉と魚どっちが好き?」
「えっと、両方好きだけどどっちかといえばお肉かな」
「俺と一緒」
「気が合う?」
「合うね」
樹はニッコリ笑った。
彼の一言で気持ちは浮上する。