チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



部屋に着くと、翔斗は部屋からスケッチブックを取り出してきた。



「まぁ、言ってしまえば“家族”っていうテーマはどこかで必ず来ると思って構図は用意しておいた」



「てことは、予想通りってこと?」



「あぁ、まぁな。親父の選びそうなテーマだ」



「すごーーい!」



あたしは手をパチパチと叩きながら、スケッチブックの方に視線を向けた。



パラパラとめくられていく画用紙には色鉛筆とシャーペンで綿密に描かれている。



カラーのケーキの完成図に、線が横に引かれていてそこにはどんな材料を入れるかまで詳しく書かれていて……。



もうあとは作るだけの状態になっていた。



いつこんな何枚も構図を作っていたんだろう。全然知らなかった。



どんなケーキを作るかはこれから決めると思っていたのに。



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