鬼常務の獲物は私!?
責任って……その言葉に身の危険を感じ、慌てて逃げようとした。
ところが、覆い被さるスーツの胸もとを両手で押してもビクともせず、逃げ道を作ることができない。
それどころか逆に両手首を捕らえられ、常務の左手ひとつで、頭上にまとめて押さえつけられてしまった。
冷たい右手の指先が、私の頬を撫で、唇をなぞる。
震える声で、やめて下さいと言おうとしたが、ふた文字目で唇を塞がれ、なにも言えなくなってしまった。
神永常務と唇を重ねるのはこれが二度目で、クリスマスイブのキスより、もっとずっと強引なキス。
唇が腫れてしまうのではないかと心配になるほどにしゃぶられてから、「口を開けろ」と命令された。
その言葉に逆に固く口を引き結ぶと、チッと舌打ちが聞こえ、鼻を摘まれてしまう。
これでは息ができない。
しばらく我慢していたが、ただでさえフル稼働中の心臓が多くの酸素を消費しているので、数秒しか耐えられずに唇の封を解いてしまった。