鬼常務の獲物は私!?



顔が赤く染まり、いちいち恥ずかしがる私。

そんな私の表情や仕草を楽しむかのように、ニヤリと笑う彼は命令を追加してきた。


「両腕は俺の首にかけろ」

「あ、あの……命令はひとつだけのはずじゃ……」


『ペナルティとして、ひとつ命令を』と、さっき彼は言ったはず。

だからこれ以上、いうことを聞く理由はないのに「つべこべ言わずに従え」と、理不尽かつ横暴な言葉で片付けられてしまった。

そろそろと両腕を持ち上げて、彼の首に回し掛ける。

こうすると、さらに顔の距離が近づいてしまうので、恥ずかしい……というか照れてしまう。

「コラ、顔を背けるな」「目を合わせろ」「もっと嬉しそうに」と、ひとつどころじゃなく次々と命令が飛んできて、終いにはこんなことまで言われてしまった。


「俺の言葉を復唱しろ」

「は、はい……」

「彰さん」

「あ、彰さん……」

「愛しています」

「あ……愛して、います……」

「帰るまで我慢できないので、今ここで私を食べて下さい」

「帰るまで我慢……え?
そ、そんなこと言えませんよ!」


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