鬼常務の獲物は私!?



私は急いで彰さんの上から下りて、一緒に叱られている気分でソファーに縮こまる。

高山さんの斜め後ろに立つ比嘉さんは、クールビューティな顔を微かにしかめてこっちを見ていた。

でも、非難しているわけではないみたい。

私たちに向けた視線を高山さんにずらした後、音に出さずに小さな溜息をついたので、どうやら羨ましいと思われているようだった。

高山さんに片想い中の彼女に、同情を寄せてしまう。

このふたりを、なんとかくっつけてあげることはできないだろうか……。

そうだ、ダブルデートとかどうだろう?

あ……でも、私が動くと多くの場合、失敗してしまう。

比嘉さんは私なんかに手伝われたくないかもしれないし、余計なお世話だと言われてしまいそうな気もするし、やっぱりなにもしない方がいいのかも……。

力になれないと結論が出て、それを残念に思っていたら、高山さんがツカツカと歩み寄り、私の横で足を止めた。


「福原さん」

「は、はい……」


高山さんはいつでも事務的に微笑んでいる人なので、恐いと感じたり苦手に思ったりしたことは今までになかった。

そんな高山さんが今、不機嫌そうに眉を寄せて私を見下ろしているから、そのことに驚きつつ身構えて話を聞いた。


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