鬼常務の獲物は私!?
「神永常務、あなたには将来、この会社を背負って立つ覚悟がおありですか?」
「覚悟なら、かなり前に……。そのために今まで……」
「今までではなく、これからがまさに正念場なのです!」
高山さんの大きな声が響いた後、常務室はシーンと静まり返った。
高山さんは、一体どうしてしまったのだろう……。
奔放な彰さんをコントロールするべく、度々注意をする様子は見ていたが、こんなふうに語気を強めて叱責する姿は初めて見る。
確かに社内でイケナイことをしていた私たちだけれど、半月ほど前の比嘉さんと婚約していると勘違いしていた時は、もっと過激なことをしていた。
机に押し倒されて本当に襲われそうになり、その姿を見られても、ここまで叱られたりしなかったのに……。
いつもとは明らかに様子の違う高山さんに、驚いてオロオロしてしまった。
私みたいにうろたえたりはしていないが、彰さんも高山さんの異変に困惑している。
彼は戸惑いを顔に浮かべてソファーから立ち上がると、座っている私を間にして高山さんと向かい合った。
「高山……なにかあったのか?」