鬼常務の獲物は私!?
その夜、神永常務は21時過ぎに帰ってきた。
疲れた様子の彼に夕食を出し、向かいの椅子に座って食べる様子を見守る。
他愛ない話をしながらも、心はソワソワ。いつ話を切り出そうかと考えていた。
景仁会病院の理事長先生からのメールには、少し考える時間を下さいという曖昧な返事をしておいた。
返事をした後、帰ってきて夕食の支度をしている間もずっと悩んでいたが、やっぱりどう考えても、私は事務長さんに会った方がいい気がしてならない。
それで、彰さんに私が考えたことを相談してみようと思って、切り出すタイミングを計っているのだ。
他愛ない会話の流れが一旦途切れ、夕食を黙々と食べる彰さんの様子を私はジッと伺っている。
すると、豚の生姜焼きを口に入れた彼と、視線が合った。
「なんだ? 食べたいのか?」
「い、いえ、私は先に食べたので」
「我慢せずにもう一回食べればいいだろ。
また太るのを気にしているのか?」
「それもありますけど……」
タレの滴る豚の生姜焼きでホカホカの白いご飯を包み、それを箸で持ち上げ、彼は私の口もとに持ってくる。
そういうことをされると、条件反射的に私はパクリと食べてしまう。太るのに。