鬼常務の獲物は私!?



ボイラーの音が小さく聞こえているので、彰さんがシャワーを使っているのが分かる。

まだお風呂に入って間もないし、もうしばらくは上がってこないと思うけれど……。


「もう通話を切った方がよさそうですね。
策を練った上で後日、福原さんに連絡します。
神永常務には、どうか内密に。あなたを愛するあまりに危機管理能力が低下しているようですので」

「すみません……」


謝ってから「宜しくお願いします」と通話を切り、耳からスマホを下ろしたら、ガチャリとリビングのドアが開いたので驚いた。

パジャマのズボンだけを履いて、上半身裸の彰さんが、濡れた髪をバスタオルで拭きながら入ってくる。

高山さんに電話していたのがバレてしまったのではないかとビクビクしてしまったが、「友達か?」と聞かれて「母です……」と答えたら、その後はなにも聞かれずに済んだ。

足もとに寄ってきた小雪ちゃんを抱き上げソファーに座った彼を見て、ホッと胸をなで下ろす。

気付かれてはいけない。

全ては彰さんに内緒で進めることになりそうだから。



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