鬼常務の獲物は私!?



テーブルや椅子、巨大な猫タワーに、壁や床の模様。どれも私の記憶の中にある物だった。

写っている猫たちの顔にも、見覚えがある。

すぐに思い出したこの猫カフェの名前は、『子猫日和』。ここ半年ほどご無沙汰しているが、太郎くんを譲り受けたお店なので、忘れるはずがない。

逃げなくてはという気持ちが一旦、頭の隅に追いやられ、つい、この話題に食いついてしまった。


「ここ、うちの太郎くんをもらってきたお店です! わぁ、この猫ちゃん、ジョニーくんですよね? 覚えています。こっちが桃子ちゃんで、この子はショコラくん!」


写真の日付を見ると、2日前の物。皆んな変わらず元気そうで、嬉しく思った。

事務長さんに子猫日和の常連なのかと聞いてみると、「僕の友人が経営している店で、時々猫を見に行ってます」と言われた。

店長さんのことも、もちろん私は知っている。

垂れ目で細身の優しい中年男性で、いつも笑顔の可愛い奥さんと一緒にお店に立っている。

太郎くんを譲ってもらった後も、飼い方で困った時には電話相談に応じてくれて、アドレス交換してからは年に数回、太郎くんの写真を送り、代わりにお店の猫たちの画像をもらったりして、今でも楽しく交流させてもらっている。


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