地獄の果てでキミを愛す
「お前がコイツを好きだろうと……。
俺は桜を渡す気はない」

「……直哉は知ってたんだ、俺が桜の事好きなの」

「分かるに決まってるだろう……。
あんな目で見ていたら……」

「さすが同胞とでも言うべきかな」



直哉と亮太の会話には
全くと言っていいほどついていけなかった。


でも、そんな事より……。
私は目の前にある背中から目を離すことが出来なかった。


直哉の背中って……。
こんなにも大きくて逞しかったっけ……?


見ているだけでゴクリと喉が鳴ってしまいそうになる。



「ふふふっ……人間って単純だよね。
少しのキッカケを与えてあげれば簡単に壊れちゃうんだから」



直哉と話しているはずの亮太の視線が私に向く。


それでも私は反応することなく
直哉の背中を見つめ続けた。



「は?何言ってるんだよ」

「ねえ直哉、君は甘いんだよ。
もっと、もっともっと!!桜を狂わせてよ」

「何言って……」

「あんまり温い事やってると俺が狂わせちゃうよ?」



妖艶な亮太の笑みに
直哉が息を呑んだのが分かった。
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