地獄の果てでキミを愛す
「桜?どうし……」

「直哉……好きなの……」



大きな逞しい背中に顔を埋めながら
私は直哉の背中に寄り添った。


手錠が邪魔をして
彼に抱き着くことは出来ないけど


それでも直哉の傍に行きたいの……。



「どうしようもなく貴方が好き。
だから私だけを見つめて、他の人なんて見ないでよっ!」



何かが弾けたかの様に
私は今まで溜め込んできた想いを爆発させていた。


直哉はいきなりの事で固まっていたけど
亮太は楽しそうに私たちを見つめていた。



「ははっ!面白くなりそうだね。
その調子で壊れていいんだよ、桜」

「お前……桜に何を……」

「別に何も、ただ人間は錯乱した状態に陥れば目の前にある物に縋りたくなるんだよ。
それが愛している人なら尚更ね。
桜は狂った俺を目の当たりにして極度な緊張状態に陥った。
しかも、襲われそうになって……。
そこに助ける様に愛する直哉がやってきたら……。
自分でも気が付かない間に育っていった狂った感情が嫌でも爆発する」



亮太の声なんて耳に入らないくらい
私は直哉の事で頭がいっぱいだった。


直哉、早く。
早く私を見て……。
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