Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「……ヴッ」
苦しげに呻いた男がその場にドサッと崩れ落ちるのと同時に、後方から聞こえてきた男の呻き声。
どうやら凛音もさっきの男を倒したらしい。
振り返るとタイミング良く凛音と目が合い、“行くぞ”と顎で合図をして同時にその場から駆け出した。
「カイ!チヒロ!逃がすな!」
凛音がドアノブを引いたのと同時に放たれた叫声。
それを耳で捉えながら部屋から飛び出す。
「なっ!?」
「チッ!」
扉を開けた先に居たのは数人の男達。
突然開いた扉に驚愕したのか、男達は目を最大限に見開きながら後退し始める。
──コイツ等、此処に連れて来られた時には居なかったのに。
「お前等!ソイツ等を捕らえろ!!絶対逃がすな!!」
再び後方から飛んで来た叫声。
その叫声に外に居た男達が即座に足を止め、飛び掛かってくる。
「凛音」
「分かってる」
視線を交わすなんて事はしない。
俺達は他の誰よりも互いの事を良く理解している。
だから──
「ぶっ倒してやろぜ!」
「ラジャ!」
潰れるのはお前達だ。
コツンとぶつけ合った拳は俺達の“合図”。
二人揃えば怖いものなんて何もない。
──さぁ、ショーの始まりだ。
-優音 side end-