Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
幻聴かと、思った。
幻覚かと思った。
冷たく蔑んだ目が、
優しさの欠片も感じられない口調が、
充くんの全てが、
あたしを“拒絶”している。
それを全身で感じ取った瞬間、全身が一瞬にして総毛立った。
負の感情がジワジワと心を支配していき、心中を埋め尽くしていく。
「充が……」
「マジかよ……」
さっきまで静かだった倉庫内が途端にざわめき始め、困惑混じりの声が飛び交った。
当然だ。
みんな信じられないんだ。この状況が。
だって、誰がこんな展開を想像していた?
誰がこんな残酷な展開想像していた?
こんな状況、誰も想像していなかった筈だ。
目の前に居るのは確かに充くんで。
だけど、いつもの優しい充くんじゃなくて。
──もう、何が何だか分からない。
一つだけ言えるのは、今の充くんからはもういつもの優しい雰囲気など微塵も感じられないということだけ。
感じるのはただ一つ。
ハッキリとした拒絶のみ。
「……っ、なん、で?」
なんでっ!?
「充くんは……」
“D”、なの……?
チヒロの……シンの、仲間なのっ!?
心中で投げ掛けたその言葉は口から発せられる事はなかった。
勇気がなかったんだ。
聞く勇気がなかった。
充くんの口から肯定の言葉なんて聞きたくなかった。
──けれど、無情にもその想いははね除けられる事になる。
「アンタの思ってる通りだよ」
充くんから告げられたのは、残酷な真実。