Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「え?」
充くんの吐き出した言葉は未だ嘗てない程呆れ返っていて。
投げ掛けられたその言葉の意味が分からず、あたしの口からは間抜けな声しか出なかった。
広がる静寂のせいか、自分の心音が自棄に響いている。
「どういう──」
「アンタがあの場所に現れなかったら俺がこんな目に合う事はなかった」
「あの、場所?」
「そうだ。“D”のアジト。アンタがあそこに行った事は想定外だった」
そう言った後、煩わしそうに前髪を掻き揚げた充くん。
「居たんだよ」
「え?」
「俺もあそこに。“D”の幹部達と一緒に居た」
「……っ、嘘……!」
──目眩が、した。
目の前が真っ暗になり、身体が後ろによろける。
けれど、何とか踏ん張ってもう一度充くんを見た。
「……ぅ」
途端に襲い掛かってくる充くんの嫌悪と憎悪。
「……嘘だ。充くんがあの場所に居たなんて」
ううん、居なかった。
あの中に充くんの姿なんかなかった。
脳裏に浮かぶのはあの部屋の光景。
部屋の中にはシンとチヒロとカイ。
そして、あたしを連れに来たキョウ。
充くんの姿なんて──
「……ぁ」
「居ただろう?“シン”の後ろに“フードの男”が」
「……」
「アレが俺だったんだよ」