Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
……っ、う、そだ……。
そんな……アレが充くん?
あの、フードの男が……?
「そんな……」
信じられなかった。
あの男が充くんだったなんて。
でも、思い返せば確かに“あの時”充くんは鳳皇に居なかった。
倉庫に居なかったのはあのアジトに居たから……?
「アンタがあの場所に現れた事によってチヒロがスパイだとバレた」
「………」
「焦ったよ。まだ“D”との抗争の策を聞き出せてなかったからな」
抗争の、策……?
「俺はどうしてもそれを知らなければいけなかった。だからアンタ達をアジトの中に入れたんだよ。
何を知っているのか、どこまで知っているのか、それを知る為にアンタをアジトに入れた」
だからあんなにもしつこくあたし達に聞いてきたの?
「けど、それもどうでも良くなった」
どうでも、良くなった?
「なんで俺達がアンタと弟クンをすんなり逃がしたのか分かる?」
スッと細められた充くんの双眸。
見慣れない瞳にビクッと身体が揺れ動く。
「アンタが桐谷サンを諦めないと言ったからだよ」
「………え?」
十夜を諦めないと言ったから?
「鳳皇に戻ると言ったから逃がしたんだ。
アンタを……再度追い詰める為に」
あたしを、追い詰める為に?
「馬鹿だよアンタ。大人しく獅鷹に帰っていればこんな目に合わずにすんだのに」