Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
紡がれていく残酷な言葉の数々に、あたしは何の返答も出来ない。
充くんが何を言ってるのか、何を言いたいのか全く分からなかったから。
あたしはただ、向けられる鋭い瞳を真っ直ぐに見返す事しか出来ず、静かに次の言葉を待つだけ。
肌に纏わりつく不穏な空気が、妙に気持ち悪い。
「アンタが啖呵を切らなければ俺も痛い目に合わずに済んだんだ」
「……え?」
痛い、目?
「アンタにバレた事によって俺達は一つの“リスク”を負うことになった」
「……リスク?」
「そう。それは“俺”が疑われる事。“智広”がスパイだとバレた以上、その智広の友達の俺も当然疑われる事になる。
──だから予防線を張ったんだよ」
「予防、線……?」
「そう。“利用する為に充に近付いた”。そうチヒロに言わせた」
「……っ、じゃあ、」
あれは、嘘だったの?
充くんは“D”に利用されたと思い込ませる為の嘘?
「そして、俺達がした事がもう一つある」
「もう一つ……?」
「“掃除”」
掃、除……。
「……っ、まさか!」
脳裏に過ったのは“ある言葉”。
……まさか。
まさかまさかまさかまさか!
その推測が当たっていたのだろう。
充くんは満足げにほくそ笑んだかと思うと、ゆっくりと口を開いた。
「そう。わざとだよ。俺が“D”じゃないと思わせる為に“鳳皇のメンバー充”を始末した」
「……っ、」
「あのリンチは“自作自演”だったんだよ」