Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
そんな……。
自作自演?
充くんがチヒロにわざとリンチさせたって言うの?
「大人しく獅鷹に帰っておけば良かったのに。そうすれば自作自演なんてしなくても良かったし、アンタも“こんな目”に合わなくて済んだんだ」
こんな目?
充くんのその言葉に一つの疑問が浮かび上がる。
こんな目って一体何?
今のこの状況の事を言ってるの?
もう頭の中は充くんの言葉で埋め尽くされていて、完全なるキャパオーバー。
思考が定まらない。
「言っただろう?アンタが桐谷サンを諦めなかったから逃がしたって。
アンタが獅鷹に行ったまま帰って来なければこんな目に合う事はなかったし、俺も今此処には居なかった」
此処に、居なかった?
「どういう事……?」
あたしが何か関係あるの?
なんで十夜を諦めなきゃいけないの?
鳳皇から帰って来たらいけない理由があるの?
「俺は別に抗争なんてどうでも良かったんだよ」
………え?
「“トップ”なんて興味無かった」
どうでも……良かった?
じゃあどうして充くんは“D”に居るの?
どうして……。
「全てはアンタを追い詰める為にしたこと」
あたしを、追い詰める為?
それってさっきも言ってた?
スッと細められた双眸と一段低くなる声色。
見えない恐怖心があたしを襲う。
「俺の目的はただ一つ。
アンタを鳳皇から追い出して遥香さんを鳳凰妃にする事だ」