Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「遥香さんがどんな想いで、どれだけ桐谷さんを好きだったか、アンタに分かるか?」
徐々に荒々しくなっていく充くんの口調。
向けられる刺々しい双眸があたしの言葉を阻む。
「遥香さんはずっと我慢してきたんだ。 鳳皇に入れて貰えなくても、下の連中に紹介されなくても、二人で出歩けなくても、それでも桐谷さんと一緒に居られるならそれでいい。そう言ってずっと我慢してきた」
「……っ」
「それなのに、留学するっていう理由だけで別れを告げられ、かと思えば離れている隙に“鳳凰妃”を名乗る女まで現れた。
酷すぎると思わないか?」
低く唸る様に吐き出される言葉と、射殺されそうな程鋭い憎悪を孕んだ双眸。
迫り来る充くんの激情が容赦なく心に突き刺さってくる。
「アンタの存在を桐谷さん本人から聞いた遥香さんの気持ち、アンタに分かるのかよ」
遥香さんの、気持ち?
「自分が一番近くに居た。産まれてからずっと傍に居た。それなのにその居場所をアンタに奪われたんだ。その気持ちがアンタに分かるのか?」
「……っ、」
「遥香さんの方が桐谷さんの事を愛してた。アンタなんか比べ物にならない程に。
それなのに何故出会って数ヶ月しか経っていないアンタに鳳凰妃を譲らなければいけない!!」