Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「……っ、あ、あたしだってっ……!」
十夜の事──
「愛してるって?」
「………っ、」
「ハッ、笑わせるな」
ピシャリとあたしの言葉を遮断したのは身震いしてしまいそうな程狂気に満ちた冷笑。
「遥香さんの想いに比べればアンタの想いなんて無に等しい」
「………」
「桐谷さんの気持ちを疑ったアンタに“愛してる”なんて言葉を使う資格はないんだよ!!」
「……っ、」
“疑った”
その言葉に心臓が鷲掴みにされたかの様に激しく痛みだす。
ギリギリと締め付けられる様な痛みに思わず胸元を強く握り締めた。
「アンタはこの数ヶ月間、桐谷さんの“何”を見てきた?」
「………」
「桐谷さんはアンタに“どう”接してきた?」
「……っ、」
「毎日毎日毎日、遥香さんが心の底から望んでいたこの環境で、アンタは桐谷さんの何を見てきた!!」
「………」
「応えろっ!!」
悲鳴に近い充くんの叫声。
それは、静まり返ったこの空間によく響いた。
何十人も居る筈の倉庫内。
それなのに、まるで自分と充くんしか居ないかのような妙な感覚。
充くんから放出される凄絶な威圧感に、あたしはただただ圧倒されていた。