Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

その声が響いた瞬間、周囲にいた男達がピタリと動くのを止めた。


今だ……!


そう思ったのに。



「──無駄だ。お前達はもう囲まれている」



その声に制された時にはもう囲まれていて。


「……チッ」


あたし達は大人しくその場に留まるしかなかった。


ヘタに動けば殺られる。


それが解っていたから。






「凛音」


直ぐ様駆け寄ってきた優音はあたしに背を向け、周囲の男達から護るようにして右手を上げた。


「………」


地面に片膝をついてしゃがんでいたあたしは他の人より目線が低い。


目の前には優音の足があり、その向こうには此方に向かって歩いてくる数人の足が見えた。


それは考えるまでもなくD幹部達の足。


あたしは乱れる呼吸を正しながら立ち上がり、優音の右側に立った。


両脇に下の者を従えるDの幹部達。


明らかに周りの者とは違うオーラを身に纏い、余裕の表情で此方を見据えていた。


その中でも特に異質なオーラを放つ男。


それは、あたしに質問をしてきたあの男だった。


さも当然の様に幹部達を従えて歩く男は、十夜に及ばないものの十分な風格を醸し出している。


……やはりあの男が“D”のトップだったか。


伊達に何年もこの世界に関わっていない。


トップに立つ者ぐらい見たら直ぐに分かる。




「驚いたよ。まさかお前が東條 凛音だったとはな」


「……っ、なんで……!」


迷いなく真っ直ぐあたしだけを見てそう言い放った男。


何故あたしが凛音だと分かった?

まだ正体をバラしていないのに。
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