Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「お前、俺の事を“優”って呼んでただろうが」
「……あ」
そうだ。あたし、さっきから優音の事“優”って呼んだんだった。
うわ、最悪……。
「……ごめん」
奴等に目を向けたまま優音に向かってぼそりと謝ると、
「お前の馬鹿は今に始まった事じゃない」
「ゔっ」
冷たいお言葉に一蹴されてしまった。
相変わらず毒舌だ。
「その男の事を別の名前で呼んだ事もそうだが、チヒロがお前の声を聞いた時違和感を感じたらしい。その声が“東條 凛音”の声だと気付いた時にはもうお前は逃げてたけどな」
「……チヒロ?」
って誰の事?
「俺だよ、凛音サン」
え?
「……智広、くん?」
え?どういう事?智広くんがチヒロ?
自分の事を“チヒロ”だと言った智広くんの言葉がなかなか理解出来ず、頭の中は大混乱。
「“トモヒロ”は偽名だってよ。漢字は同じで読み方が違うらしい」
「漢字が同じで読み方が違う?」
智広で“チヒロ”って事?
あ、成る程。そういう事か。
やっと言ってる意味が分かり、一人で納得。
確かに“智広”は“チヒロ”とも読める。
けど、読むとしたら大体は“トモヒロ”だ。
“チヒロ”なんて読む人滅多にいない。
だから“トモヒロ”が偽名だったなんて思いもしなかった。