Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「何を疑う必要がある?あれほど大事にされておきながら、桐谷さんのどこを疑うんだよ!!」
突き刺さる。
充くんの言葉がブスブスと鈍い音を立てながら心臓に突き刺さる。
──解っていた。
自分でも解っていたんだ。自覚していた。
信じていると思っていたけど、結局の所信じてなどいなかったのだと。
──“十夜はあたしに遥香さんを重ねて見ていた?”
遥香さんと初めて逢った時から二人を疑い、二人の仲を知れば知る程不安になって。
──“好きだ”
十夜が精一杯伝えてくれた愛情をあたしは疑った。
「遥香さんなら絶対に桐谷さんを疑ったりしない。最後まで信じ抜く。あの人はそういう人だ。それほど桐谷さんを愛してる。
解るか?これがアンタと遥香さんの違いだ。アンタが“愛してる”だなんて口にするな。おこがましい」
「………」
──何も、言い返せなかった。
言い返せる訳がなかった。
充くんの言う通りだったから。
一瞬でも十夜の気持ちを疑ったあたしに“あたしの方が愛してる”だなんてそんな言葉、偉そうに言えない。
十夜への“愛”が本当だとしても、今ここで胸を張って言う資格なんてあたしには無いんだ。