Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「アンタが獅鷹へ帰って清々したよ。俺はアンタを追い出す為に鳳皇へ戻ってきたんだからな」
「………え?」
あたしを追い出す為?
「それなのにアンタは性懲りもなく戻ってきた」
「………」
そう吐き捨てた充くんの口端はもう歪んでなどいなかった。
代わりに鋭さが増した眼光。
余りの冷たさに身震いした。
「……なん、で?」
ポロリと零れ落ちた疑問の言葉。
発した瞬間、それこそ愚問だという事に気が付いた。
充くんは遥香さんを慕っていた。
知り合って少ししか経っていないあたしなんかよりも、ずっと傍に居た遥香さんの方が大切なのは当然の事。
「さっき言っただろう?“俺は別に抗争なんてどうでもいい”“トップなんて興味無い”」
「………」
「“アンタを追い詰める為にした事”だと」
──そうだ。確かに、充くんはさっきそう言った。
憎悪を孕んだその瞳で、普段よりも数段低いその声で、充くんは確かにそう言ったんだ。
「俺はアンタを追い出す為だけに鳳皇へ舞い戻ってきた」
「………」
「アンタを追い出す為に色々したよ」
「いろ、いろ……?」
「そう、色々とね。
凛音サンの為に最初から説明してあげましょうか?解りやすく、ね」