Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

「アンタが獅鷹へ帰って清々したよ。俺はアンタを追い出す為に鳳皇へ戻ってきたんだからな」


「………え?」


あたしを追い出す為?


「それなのにアンタは性懲りもなく戻ってきた」


「………」


そう吐き捨てた充くんの口端はもう歪んでなどいなかった。


代わりに鋭さが増した眼光。


余りの冷たさに身震いした。




「……なん、で?」


ポロリと零れ落ちた疑問の言葉。


発した瞬間、それこそ愚問だという事に気が付いた。



充くんは遥香さんを慕っていた。


知り合って少ししか経っていないあたしなんかよりも、ずっと傍に居た遥香さんの方が大切なのは当然の事。



「さっき言っただろう?“俺は別に抗争なんてどうでもいい”“トップなんて興味無い”」


「………」


「“アンタを追い詰める為にした事”だと」



──そうだ。確かに、充くんはさっきそう言った。


憎悪を孕んだその瞳で、普段よりも数段低いその声で、充くんは確かにそう言ったんだ。



「俺はアンタを追い出す為だけに鳳皇へ舞い戻ってきた」


「………」


「アンタを追い出す為に色々したよ」


「いろ、いろ……?」


「そう、色々とね。

凛音サンの為に最初から説明してあげましょうか?解りやすく、ね」
< 192 / 460 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop