Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
ニタリと不気味に微笑んだ充くんはもう別人だとしか言いようがなかった。
あたしという存在が充くんをこんな風にしてしまったの?
あたしが……。
「俺の目的は遥香さんを鳳凰妃にする事だった。そして、“D”の目的は鳳皇を潰し、トップに立つ事。
その二つを叶える為には“D”と手を結ぶのが一番手っ取り早かった」
「………」
「俺がスパイとして鳳皇に入り込み、“D”に抗争の策を伝える。その代わり“D”にはアンタを追い詰めるのを手伝って貰う。
それが“D”との交換条件」
……Dとの交換条件。
その言葉にゴクリと喉が上下する。
充くんは一呼吸置き、噛み締める様にゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
抑揚の無い声色で告げられていく真実を一言一句聞き逃さない様、必死で耳を傾ける。
「まず始めにした行動。それは“俺が桐谷さんと繋がりを持つ事”」
繋がり……。
「俺はいつでも鳳皇に入り込める様前以て桐谷さんと接触していた。そして、入り込む機会をずっと窺っていた。
……そんな時、桐谷さんと遥香さんの“会話”を聞いたんだ」
「……会話?」
「そう。獅鷹との合同暴走でアンタを鳳凰妃としてお披露目するという会話を」
獅鷹との合同暴走?
それって……。
それは、無理に思い出さなくても自然と思い出す事が出来た。
それもその筈。
それはほんの二日前の出来事だったから。