Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「まさかアンタがTear Dropに現れるとは思ってなかったけどね。でも、アレはアレで良かった」
……良かった?
意味深なその言葉に眉を潜めれば、それを見た充くんが満足げに口元を緩める。
「遥香さんが“ホンモノ”だと直接アンタに言えたから」
「……っ、」
「カイに言われただろう?遥香さんが黒皇のモノだって」
……もしかして、アレも充くんの指示だったの?
「目論見通り暴走は中止になり、俺とチヒロは計画通り鳳皇に入り込めた。
捕まった“D”の下っ端達も前以て用意しておいたメールで解放されたし。アンタのミスのお陰で下っ端達は難無く解放されたよ」
充くんの嬉々とした表情とは裏腹に、あたしの眉間には深い皺が寄った。
あの時、あたしがちゃんと覚えていれば……。
「……けど、一つだけ誤算があった」
「……誤算?」
嬉々とした表情から一変し、再び充くんの瞳に憎悪が宿る。
一気に場の空気が凍った。
「桐谷さんが遥香さんを鳳皇に入れず、俺達の護衛だけにすると言った事だ」