Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「あのメール……?」
「……マジかよ」
皆もあのメールを見たのだろう。
周囲では口を噤んでいた鳳皇メンバー達が口々に驚愕の声を上げていた。
獅鷹メンバーは訳が分からないと言った表情で鳳皇メンバーを見ている。
慎もその内の一人だった。
あたしはと言うと再びあの時の感情に襲われ、声を出せずにいた。
──甦る。あの時の記憶が。
あの時の感情が。
ニセモノだと書かれ、それをこの目に映した時のあの感情が、リアルに脳裏に甦る。
………苦しい。
息が上手く吸えない。呼吸が出来ない。
なんで……。
なんで、なんでっ……!!
「その表情(カオ)を見る為に俺は鳳皇に入り込んだんだよ」
「………っ」
──淡々と。愉しげな声色が倉庫内に響く。
この場に似つかわしくないその口調に自然と顔が上がった。
目が合うや否やニッコリと爽やかな笑顔を見せた充くんは、どこからどう見ても人良さそうな好青年にしか見えなくて。
「その絶望に満ちた表情(カオ)、初めて見た時快感だった」
──けれど、爽やかな笑顔とは裏腹に紡がれた言葉はぞくりと鳥肌が立つ程冷たいものだった。
それは決して笑って済ませられるものではなく、必然的に顔が強張る。
充くんの言う“初めて”がいつの事を指しているのか分からないけれど、ニュアンス的に今日ではない事は確かだった。
絶句するあたしを見て満足げに口元を緩める充くん。
そして一言、静かに言葉を紡いだ。
「──初めてはあの時。“カレー”だよ」
そっと触れたのは、核心。