Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「……アンタの存在を聞いた時、はらわたが煮え繰り返るかと思ったよ。
許せなかった。鳳凰妃を奪ったアンタも、遥香さんじゃなくアンタを選んだ桐谷さんも」
「………」
「だから壊してやろうと思った。アンタ達二人の関係を」
そう言った充くんの瞳は背筋が凍りそうなほど殺気を孕んでいた。
言葉が……見つからない。
遥香さんと交わした会話が波の様に一気に押し寄せてきて、もうどうしたらいいのか分からなかった。
……解ってた、つもりだった。
解ってたと思ってた。
遥香さんの心情を理解したつもりだった。
けど、あたしはこれっぽっちも理解してなかったんだ。
今なら解る。
遥香さんはあたしが思っていたよりも遥かに我慢していた。哀しんでいた。
答えを出すそのギリギリの時まで、遥香さんは葛藤し続けていたんだ。
そして。
遥香さんは十夜を想い、十夜の幸せだけを願って身を引いた。
あたしに自分達の関係を、自分達の軌跡を全て話してから身を引いたんだ。
全ては、十夜の為に。