Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「ちょっと待てよ。お前の言い分は分かった。その遥香さんって人の気持ちも分かった。
だがな、それは遥香さんって人の問題で、お前には関係ねぇだろうが。それとも何か?その遥香さんって人に頼まれでもしたのかよ?」
慎のその言葉にドクンと一つ、嫌な音が胸の内で響いた。
“その遥香さんって人に頼まれでもしたのかよ?”
それは、尤も聞きたくない事だった。
遥香さんが……だなんて、そんなの聞きたくもないし、考えたくもない。
「遥香さん──」
「……っ」
言わないで……っ!!
そう心の中で充くんの言葉を遮った時だった。
「凛音……っ!!」
耳に届いたのは、聞きなれた声。
此処に居る筈のない、優音の声。
「優?なんで……っ」
振り向けば、視線の先には二人の男に引かれている優音の姿があった。
……っ、なんで優音が此処に居るの?
優音は工場跡で………って、もしかして。
「──やっと来たか」
充くんが、此処に連れて来るよう頼んだの?
ニタリ、とほくそ笑んだ充くんを見ながらそう思った。
これは全て計算の内なのだと。
充くんの思い描いた状況に進んでいるのだと。
どう抗ってももう無理なのだと、そう思わざるを得なかった。
「なんで?って顔してるな」
「………」
「教えてあげるよ。河原を此処に連れてきた理由を。
そして、アンタの弟を此処に連れてきた“理由”を」